吹き抜けっていいですよね!でも、デメリットも多いって聞いて不安です…。吹き抜けを採用して後悔した人たちの体験談や具体的な理由を知りたい!
吹き抜けの開放感には憧れるけど、「寒い」「匂いが充満する」という声も聞くし、不安になりますよね。
この記事では、幼少期から合計3軒で「吹き抜けのある生活」を体験しているわたしが、吹き抜けのメリットとデメリットを解説します。
吹き抜けのある家を作るときの注意点もご紹介しますので、後悔のない家づくりにお役立てください
- 吹き抜けのメリット・デメリット
- 吹き抜けが向いているタイプの土地・家の特徴
- 吹き抜けを作るときに注意したいこと
はじめに:吹き抜けの魅力と、なぜ後悔する人がいるのか
吹き抜けの魅力、それはなんといっても、開放感ですよね。
日本の家は天井が低いと言われていますが、吹き抜けがあれば、天井の低さも気にならなくなります
また、高い位置から光を取り入れることができるので、家全体が明るく感じられます。
でも、安易に取り入れると、後悔しやすいのも事実。吹き抜けには以下のようなデメリットもあります。
- 寒い
- 音がうるさい
- 匂いが充満する
- 部屋が温まりにくい
よくあるのは「とにかく寒い」というもの
夏はよかったけれど、冬は凍えるように寒いという話も聞きます。2階には人がいないから暖房をつけたくないけど、吹き抜けがあるから1階の暖房だけでは間に合わず、2階も常に暖房をフル稼働。それでもまだ寒く、寒さと光熱費に耐えきれなくなり、天井を作るリフォームをする人もいるほどです。
リフォームまではいかなくても、吹き抜けに布を張っている例も見るにゃ
敷地の状況や、生活スタイルなどによっても、正解は変わってきますが、事前にデメリットを知っておき、必要な対策をしておくことで、後悔を減らすことができますよ!
吹き抜けのメリットを深掘り
それでは、吹き抜けのメリットを詳しく見てみましょう。
- 心地よい採光
- 開放感のある空間が作れる
- 家としての一体感が生まれる
メリット1:心地よい採光
吹き抜けのメリットの1つは、採光がとりやすいことです。
大きな窓でも明かりはとれますが、吹き抜けの明るさは普通の窓の明かりよりも「心地いい」と感じることが多いんです
なぜなら、光が上から入ってくるから。
もともと自然界では、太陽の光は上からふりそそぎますよね。吹き抜けを採用することで、家にいながら少し外のような「心地よい明るさ」を感じることができるんです。
明り取りのための吹き抜けであれば、そこまで大きくなくても十分なメリットを受けられます。
明り取りのための吹き抜けは、暗くなりがちな住宅密集地との相性が抜群です
メリット2:開放感のある空間が作れる
吹き抜けのある家は、なんといっても開放感がありますよね。
我が家は天井高2.2メートルと、少し天井が低めのお家ですが、吹き抜けがあるからか、まったく窮屈さを感じません
天井高に変化があることで、家の中にさまざまな居心地の居場所ができます。
天井が低いと、おこもり感のあるスペースになるにゃ
天井の高さに変化が出る吹き抜けは、天井が低いおうちに特におすすめです!
逆に言えば、天井高が2.8メートルあるのなら、吹き抜けまでは必要ないかもしれません。
メリット3:家としての一体感が生まれる
吹き抜けのない2階建て・3階建ては、各階が分断されます。
2階リビングにいると、3階の子どもたちの様子がまったくわからない…
吹き抜けがあると、空間として各階がつながるので、どこで何をしていても、なんとなく気配が伝わります。
特にこれまでマンションに住んでいた人には、安心感がありますよ
吹き抜けのデメリットを徹底解説
続いて、吹き抜けのデメリットも深堀していきます。
デメリット1:冷暖房効率が悪い
吹き抜けを採用すると、空間が広くなるので、冷房や暖房がききにくくなります。
特に冬は、暖かい空気が上に行ってしまうので、けっこう深刻です
また、冷暖房効率が悪いということは、「光熱費が高い」ということでもあります。
家づくりの時は見た目を気にしてしまいがちですが、住み始めると「見た目」はあまり気にならなくなります。でも、「暮らしやすさ」や「コスパ」は、ずっと大切。
そのため、吹き抜けに天井をつけるリフォームをするかたもいるくらいです。
吹き抜けの暑さ・寒さを和らげるためには、「気密性」と「断熱性」の高い家を建てることが大切です。また、冷暖房は、各部屋にエアコンをつけるのではなく、家全体を暖める「全館空調」や「全館床暖房」がおすすめです
デメリット2:音漏れ・匂い漏れ
吹き抜けを作る場合、LDKに吹き抜けを作ることが多いと思います。
そうすると、キッチンから匂いが上にあがっていきます。
料理をしていると、上の階から「換気扇回して~!」と言われます……
また、音漏れも深刻です。
子どもの友達が遊びに来たときには、上の階まで子どもの声が響きますし、子どもが受験生になれば、テレビの音が上の階まで響きます。
私は吹き抜けのある家に育ったのですが、受験期には、階下のテレビの音がうるさくて、消してもらったこともあります
音は漏れるが、何を言っているかはわからない
音が聞こえるなら、「リビングから上の階にいる子供に声をかけられるので便利!」と思うかもしれません。
ところが、声は聞こえるのですが、何を言っているかまではわかりません
上の階から子供が何か言っているが、何を言っているのかわからない。毎日のプチストレスです。
デメリット3:メンテナンスが大変
吹き抜けのデメリット3つめは、メンテナンスが大変なことです。
- 吹き抜けにある窓
- 吹き抜けにある照明
- 吹き抜けにあるカーテン
- シーリングファン
きれい好きの方には、気になるポイントですよね。
照明は、今はLEDなので、10年以上明かりはもちます。そのため、昔ほど交換の心配をしなくても済むようになりました。ただ、あまり上のほうに照明を設置してしまうと、工事が割高になってしまう可能性があります。
また、カーテンについても悩まれる方が多いのではないでしょうか。
我が家は、吹き抜けのカーテンは洗濯はしないと割り切りました
カーテン屋さんと打ち合わせをしたところ、真っ白のレースカーテンよりも薄いグレーやベージュのほうが汚れが目立たなくておすすめと教えてもらいました。
外から中が見えないようであれば、思い切ってカーテンなしにしてもよいです
シーリングファンは、長いモップのようなもので掃除をされる方が多いようです。
後悔しないための3つのポイント
デメリットを把握したうえで、「それでも吹き抜けがほしい!」という方のために、計画段階で注意するべきことをまとめます。
1.住宅性能は高くする
経験から断言します!断熱性・気密性の低い家の吹き抜けは、とっても寒いです!
吹き抜けを採用するなら、住宅性能にはこだわりたいところ。
2.全館空調にする
吹き抜けを作るなら、ぜひ全館床暖房や全館空調もあわせて検討するとよいです。
全館床暖房や全館空調は、家の中の温度を均一かつ一定に保ってくれるので、吹き抜けのデメリットである「寒い」点をカバーしてくれます。
全館空調って、どこのハウスメーカーでもできるの?
お願いすればできるかもしれないですが、できれば全館空調が得意なハウスメーカーを選びましょう!
一条工務店
全館床暖房があります。また、断熱性・気密性が高いので、吹き抜けとの相性が抜群です! 注意点としては、階段のデザインが限られていることや、吹き抜けの大きさや位置などに制限がでることです。
三井ホーム
全館空調が得意な高級ハウスメーカーです。スキップフロアや吹き抜けなどの「縦の空間設計」にも強いので、予算が合えばぜひ検討したいハウスメーカー。
三菱地所ホーム
三菱地所ホームも全館空調が有名です。また、公式サイトによれば断熱等級は6で、場合によっては7を取得できることも。
3.間取りに配慮する
吹き抜けはLDKに設けることが多いですが、玄関に吹き抜けを作るケースもあります。
一番多いのはリビングの吹き抜けです。上の写真のように、リビング階段と組み合わせるとおしゃれになります。
リビングに吹き抜けを作るときは、テレビの音が問題になりやすいことを念頭において間取りを作成すると安心です。
明るく開放的な空間で食事をとることができます。朝食を大事にしたい方におすすめです。
ダイニングに吹き抜けを取り入れる場合は、リビングはあえて通常の高さの天井にして「おこもり感」を出すのがおすすめ。
玄関に吹き抜けがあると、家全体が明るい印象になりますが、玄関の土間が冷えるため、寒さも感じやすいのが注意点
小さいころ住んでいた家は、玄関スペースに階段と吹き抜けがありました。2階の手すりからブランコをさげて、ちょっとした遊びスペースとして活用していました!
もちろん、こんなおしゃれではなかったですが…楽しい思い出として残っています
吹き抜けのメリット&デメリットまとめ
あらためて、吹き抜けのメリット&デメリットそして対策をまとめます。
メリット | デメリット |
---|---|
開放感がある 心地よい明るさ 家族の気配を感じられる | 冷暖房効率が悪い メンテナンスが大変 音漏れ&匂い漏れ |
吹き抜けで後悔しないために、以下の3つのポイントを押さえておくと安心です。
- 断熱性・気密性の高いハウスメーカーを選ぶ
- 全館床暖房や全館空調を導入する
- 音漏れを考慮した間取りにする
吹き抜けにはメリットもデメリットもあるので、自分の価値観や、土地との相性などを見て慎重に決めたいですね。
デメリットはあるけれど、我が家は、吹き抜けを作ってよかったな思っています
間取りに悩んでいる方は、以下の記事も参考にしてくださいね。