オープンハウスって、かなり安いと思うのですが、なんでこんなに安いんでしょうか? 「安かろう悪かろう」なのかな……?
今回は、オープンハウスが安い理由を6つご紹介します。「安かろう悪かろう」にあたるものもありますが、基本的にはいわゆる企業努力で安くなっている印象を受けました。
それでは、さっそくご紹介します。
オープンハウスはなぜ安い?【6つの理由】
- 3棟現場で効率よく建てているから
- スケールメリットがあり、仕入れのコストを下げられるから
- (ディベロップメント)注文住宅ではなくセミオーダーだから
- (ディベロップメント)打ち合わせ回数が少ないから
- 断熱・耐震等級が低めだから
- 土地の仕入れから販売まで自社で行っているから
ひとつずつ、順番に解説していきます。
安い理由1:3棟現場で効率よく建てているから
オープンハウスが得意とするのは、もともと一軒家が建っていた土地を2つや3つに分割して家を建てるスタイル。
3軒まとめて建てることで、大工さんが効率よく動けるようになり、コストダウンすることができます。また、資材やその運搬なども3軒分まとめて発注できるので、配送料などもぐっと安くなります。
これはほかのハウスメーカーも同じで、3の倍数がもっとも効率よく家を建てられるそうです
中には2棟現場もありますが、2軒であっても、1軒だけで建てるより、かなり効率化できます。
安い理由2:スケールメリットがあり、仕入れのコストを下げられるから
オープンハウスは、もはや業界でも大手というスケールになってきました。
このスケールのメリットを生かして、いいものを安く仕入れています。具体的には、キッチン・トイレ・洗面設備はもちろんのこと、玄関ドアや窓、タイルや外壁など、すべてのものに当てはまります。
安い理由3:注文住宅ではなくセミオーダーだから
オープンハウス・ディベロップメントで建てる家は、セミオーダーです。
セミオーダーというのはどういうことかというと、間取りは比較的自由に作れるけれど、設備や仕様は選択肢の中から選んでいくということです。
下記は、選べる範囲や自由度のイメージです。会社によってもまちまちなので、必ずしも絶対にこうというわけではありませんが、参考になると思います。
注文住宅(フルオーダー) | セミオーダー住宅 | |
---|---|---|
間取り | 自由 | ある程度自由 |
キッチン | ブランドが選べる オーダーキッチンも可能 | カラーが選べる ブランドが選べる場合もある |
お風呂 | ブランド3択 | ブランドは一択 カラーは選べる |
床材 | 自由 | 3ブランド×4色など |
外壁 | 自由 | カラーや模様が選べる |
間取りがある程度自由って、どの程度??
一般的な間取りなら、多くの場合は問題ありません。ただ、スキップフロアや、1階から3階までの吹き抜けなどは難しいと思います。普通の吹き抜けはOKですよ。
※間取りについては、耐震性や消防法、斜線規制などの法規制も絡んできますので、注文住宅だから完全に自由になるわけではありません。
安い理由4:打ち合わせ回数が少ないから
これはセミオーダーの部分ともかかわってきますが、オープンハウス・ディベロップメントでは打ち合わせ回数が決まっています。
- 間取り:2回
- その他(カラー選択、オプションなど):3回
- 確認:1回
例えば住友林業だと、打ち合わせの回数には制限がないようです。口コミを見ていると、15回くらい打ち合わせをされているようですね。積水ハウスさんも、口コミによれば20回以上打ち合わせをされている方がいらっしゃいます。
他のハウスメーカーの打ち合わせ回数をざっとまとめると、以下のようなイメージです。
- 住友林業:制限なし(15回くらい)
- 積水ハウス:制限なし(20回くらい)
- 一条工務店:7回が基本だが、制限なし
- タマホーム:10回くらい
- ヘーベルハウス:制限なし(30回くらい)
こちらは口コミをまとめたものなので、地域差・個人差はあると思います。
一条工務店もセミオーダーなので、セミオーダーだと打ち合わせ回数が少ない傾向があるようですね。ヘーベルハウスは、探し当てた口コミが、かなり打ち合わせが多い施主だったようです。
打ち合わせをするためには、当然人件費がかかります。
オープンハウスのセミオーダーでは打ち合わせ回数は6回とかなり抑えられているので、結果として安くなっていると考えられます。
安い理由5:断熱・耐震等級が低めだから
今回あげる理由のなかで、「安かろう悪かろう」に相当する可能性があるのは、これだけだと思います。
これは一昔であれば十分な性能だと思いますが、現在は全体的なレベルが上がっているため、残念ながら少し見劣りするという印象です。
寒さの感じ方には個人差がありますが、マンションから引っ越される方は「寒い」と感じる方が多いようです
耐震等級は1~3の三段階で、大手ハウスメーカーだと多くが耐震等級3を採用しています。オープンハウスの耐震等級はそれと比較すると低いので、その分コストが抑えられています。
耐震等級1でも、1回の地震で倒壊することはありません。
また、マンションの多くでは耐震等級1が採用されています。耐震等級2は、学校などの避難所と同じレベル。どこまでの耐震性能を求めるかは、個人の考え方に拠る部分が大きいです。
「耐震等級3ないと意味がない」という人もいますし、「耐震等級3は過剰」と感じる人もいます
3階建ての場合、構造計算が義務付けられているので、その点は安心材料になりますね。
なお、セミオーダー住宅・注文住宅であれば、オプション費用を支払うことで、断熱性・耐震性ともにアップさせることができます。性能に対する価値観は人それぞれですので、調整できるのはメリットですね。
ちなみに、耐震等級を1から3に引き上げる場合、追加費用は約100万円です(あくまで目安です)
安い理由6:土地の仕入れから販売まで自社で行っているから
オープンハウスは土地の仕入れから販売までを自社で行っています。
確かに、SUUMOなどでオープンハウスの物件を見かけることはほとんどありません。
何度か見かけましたが、おそらく売れ残りだったのでしょう……
首都圏の場合、土地の価格が高いです。例えば、70平米1億円の土地の場合、売主・買主が不動産仲介業者に払う仲介手数料(3%)は300万円です。この手数料がまるまるなくなれば、かなり安くなりますよね。
建売を売る場合も同じです。9000万円の建売の場合、売主が払う仲介手数料(3%)は270万円。オープンハウスはこの仲介手数料を払う必要がないので、その分、利益率がよくなります。
オープンハウスはなぜ安い? 理由は6つ
今回は、オープンハウスが安い理由を6つご紹介しました。
- 3棟現場で効率よく建てているから
- スケールメリットがあり、仕入れのコストを下げられるから
- (ディベロップメント)注文住宅ではなくセミオーダーだから
- (ディベロップメント)打ち合わせ回数が少ないから
- 断熱・耐震等級が低めだから
- 土地の仕入れから販売まで自社で行っているから
調査をしてみると、「安い」の裏には企業努力がありました。このうち、「安かろう悪かろう」に相当するのは、「断熱・耐震等級が低め」の1点のみではないでしょうか。
企業努力による部分が大きいと感じました
そうは言っても、施工不良のニュースなどで心配になっている方もいるかもしれません。また、打ち合わせ回数が少ないため、納得できる間取りができるか不安だという方もいらっしゃるでしょう。
以下の記事では、オープンハウスで最高の家を建てる方法について、手順をご紹介しています。
この記事を読んでおくことで、間取りの後悔を減らし、予算を適切に振り分け、施工不良を防ぐことができます。