3階建ては高いというけど、いくらで建てられるの? いろいろ調べても、結局総額いくらになるのかがわかりにくい!
今回は、このような疑問にこたえるべく、ハウスメーカー・工務店別の価格目安をご紹介します。また、都市型3階建てが高くなってしまう理由も解説しています。
ハウスメーカー別! 3階建ての価格は?
- 住友林業・三井ホーム:約3800万円
- 一条工務店:約3600万円
- 住友不動産:約3200万円
- 地元工務店:約2700万円
- 建築条件付き土地:約2300万円
- オープンハウス:約2000万円
※外構費用は除く。都内狭小3階建ての場合、外構費用の目安は120万円~です。120万円くらいあれば、駐車場のコンクリート+家外周の砂利+ポストができると思います。
※ざっくりとした目安で、必ずしも正確ではありません。個人の体感による部分も含みますので、正確に知りたい場合は、ハウスメーカーに問い合わせてくださいますようお願いいたします。
予算が2800万円くらいあると、選択肢がぐっと広がります
「インターネットで調べた坪単価と全然違う!」と思いますよね。しかし、残念ながら2024年に都内で3階建てを建てる場合、インターネットで紹介されている坪単価よりもかなり高くなります。
一番大きな影響は円安ですね。また、ウッドショックの影響もまだ残っています。しかし、3階建てにはそれ以外にも価格が高くなってしまう要因があります。ここからは、狭小3階建てが高くなってしまう理由を解説します。
3階建ての価格があがる理由1:構造計算
3階建ての建物は、構造計算をしなくてはならないので、高いと聞いたことがあるかもしれません。2階建てまでの建物は、構造計算をしなくても建てることができます。しかし、3階建てになると、木造でも構造計算がマストです。
構造計算の相場は、木造3階建てで約20万円~30万円。鉄筋コンクリート造になるとさらに高くなります。
坪1万くらい変わってきますね
3階建ての価格があがる理由2:ビルトインガレージ
東京23区は、車を持たない選択をされる方も多いです。
- 駐車場が毎月数万かかる
- 公共交通機関が発達している
- 出かけた先の駐車料金が高い
- カーシェアなどのサービスが充実している
我が家は今はカーシェアを利用していますが、月々の駐車場代もかからないし、必要な時には車が使えるので便利です。旅行先でも使えるのもメリット。
そうは言っても、「やっぱり車が欲しい!」という方もいますよね。カーシェアは予約が必要ですし、小さなお子さんが複数いる場合には、チャイルドシートの問題などもあります。郊外にお出かけしたい場合には、自由に使える車があると便利です。
我が家も新築に合わせて車を購入する予定です
車を所有する場合には、やはり敷地内に駐車場を作りたいという方が多いです。だって、ローンに追加して月々数万円の駐車場代を払うのは嫌ですから。
けれども、狭~い都会の土地。駐車場を作る余地は、ないことが多いです。そうすると、否が応でも、ビルトインガレージを採用することになります。
ビルトインガレージは、高いです。一般的に200万~500万円ほどかかるといわれています。ただし、都内3階建てエリアの場合、一般的に言われているビルトインガレージよりは安いことが多いです。理由は以下のとおりです。
- スペースが最小限だから
- シャッターがないから
- 車の頭が飛び出るデザインのことが多いから
ちなみに、ビルトインガレージは、容積率から除外されます
3階建ての価格が上がる理由3:準防火や防火地域
さらに、都内狭小3階建ての場合、住宅密集地に立っていることが多いです。住宅密集地は、多くの場合、準防火地域や防火地域に指定されています。
防火地域・準防火地域とは都市計画法において「市街地における火災の危険を防除するため定める地域」として指定されるエリアです。火災の危険を防除する(防いで取り除く)ため、多くの場合で駅前や建物の密集地、幹線道路沿いなどが指定されています。建物の密集地などは火事の延焼を防ぐために、幹線道路は火災の際に消防車などの緊急車両の通行を妨げないようにすることが目的です。
SUUMO
これらの地域では、建築する際に、燃えにくい素材を使用することが定められています。
- 屋根材
- 外壁
- 防火窓
- 防火ドア
屋根材、外壁をはじめ、防火窓、防火ドアなどの価格の高いパーツを使用するため、費用がかさみます。
選択肢も減るし、価格も高くなる!
費用は、準防火地域の場合、通常の地域の約1.5倍ともいわれます。準防火地域で木造3階建てを建てる場合、相場は90万~120万くらい。防火地域にはさらに厳しい制限がかかります。
ネットで見た3階建ての坪単価と全然違う!というのは、このあたりに原因がありそうですね
3階建ての価格があがる理由4:階段が2つ分
2階建てであれば、通常階段は1つです。3階建てだと、どうがんばっても、階段は2セット必要です。そのため、2階建てと同じ広さの居住空間を実現しようと思うと、階段の分、床面積が増えてしまいます。
同じ100平米の家でも、階段が少ない分、2階建てのほうが居住空間が広い
階段には各階1坪ほどスペースを取られます。つまり、下の3つの居住空間は、ほぼ同じ広さということになります。
30坪の平屋=28坪の2階建て=27坪の3階建て
階段が1つあると、上下階それぞれ1坪居住空間が減ります
外構は安くなる!
一方、狭小3階建てのほうが安くなるものもあります。それは、外構です!
狭小3階建ての場合、だいたい敷地いっぱいにたてることになり、外構費用はあまりかかりません。
家の周りにぐるっと砂利を敷いて、駐車場はコンクリート。お好みで植栽を1、2本植えて、門柱をつけたら、完了です!
だいたい150万円くらいになると思います。
狭小3階建ては、3階建て相場よりもさらに価格が高い!
都内にある狭小3階建ての建築費用は、一般的な3階建てよりも高くなることが多いです。
- 地方よりも人件費が高い
- 準防火地域・防火地域にあたるため高い
- ビルトインガレージが高い
- ウッドショックで住宅価格が高騰
- 円安で住宅価格が上昇
インターネットにある3階建ての坪単価は、ウッドショック前の情報だったり、地方の3階建ての情報だったりということもあります。
まとめ:都内3階建て100平米の費用は、2500万~4500万くらい
都内の狭小3階建てが高くなる原因は、構造計算だけではありません。「ビルトインガレージ」や「準防火仕様」など、都内住宅密集地ならではの事情があります。坪単価は、ローコストの工務店なら80万、一般的には90万~100万を想定しておきましょう。高価格帯のハウスメーカーや、こだわって建てたい場合には、坪120万以上です。
気になる工務店やハウスメーカーがあれば、価格帯をつかむためにも、まずは資料や見積もりを取り寄せてみましょう。100平米2700万くらいであれば、選択肢も増えてくると思います。
建物の値段が大体決まれば、土地にかけられるお金も決まりますね!
ちなみに、都内3階建てエリアでもっともローコストの建築会社は、オープンハウスディベロップメントだと思います。
下記の記事では、都内で狭小住宅を考えている方に、土地探し方から、ハウスメーカーの探し方までを一挙にご紹介しています。