三井ホームと住友林業って、どちらも高級ハウスメーカーというイメージですが、それぞれの特長と違いを教えてください!
三井ホームと住友林業を比べると、価格や性能はあまり変わらないようですが、工法や内装などは、2社で大きく違います。この記事では、住友林業と三井ホームの違いを項目別に整理して解説しています。
三井ホームと住友林業の比較一覧表
まずは、三井ホームと住友林業の違いを一覧表にしました。
住友林業 | 三井ホーム | ||
---|---|---|---|
構造 | 木造・在来工法 | 木造・2×6 | |
坪単価 | 110以上 | 110以上 | |
耐震等級 | 最高等級 3 に対応 | 最高等級 3 に対応 | |
断熱等級 | 等級 5 以上に対応 | 断熱等級6に対応 | |
内装 | 和モダン | 洋風 | |
年間戸数 | 9416棟 | 3386棟 | 参考記事 |
その他の特長 | 木の質感 大開口に強い | スキップフロア 屋根断熱 全館空調 |
それでは、それぞれについて詳しく解説していきます。
三井ホームと住友林業の違い:坪単価・価格
多くの方が、「三井ホームと住友林業、どちらが高いんだろう?」と気にしていると思います。
三井ホームと住友林業の価格は、「ほぼ同じくらい」です。家の間取りや選ぶ仕様によって、「三井ホームのほうが200万高かった」「住友林業のほうが100万高かった」など、どちらが高くなってもおかしくありません。
実際に見積もりを取ってみないと、どちらが高くなるかはわかりませんが、価格差は200~300万程度で収まることが多いです。
三井ホームと住友林業の違い:性能
三井ホームも住友林業も、耐震等級3、断熱等級5を実現することができます。
断熱等級に関しては、三井ホームは「等級6に対応」とHPに明記されています。断熱等級に関しては、三井ホームに軍配があがりそうですね。
とはいえ、どちらも十分な性能だと思います。
また、断熱性能は実際に作った間取りに大きく左右されます。窓を減らせば、断熱性能は高くなるものです。また、オプション費用を払って窓や断熱材のグレードを上げていけば、断熱性能を上げることもできますよ。
三井ホームと住友林業の違い:構造
三井ホームと住友林業の大きな違いは、家の構造です。両社はともに木造建築ですが、三井ホームは、2×6という工法を、一方の住友林業は在来工法(ビッグフレーム)を採用しています。
三井ホーム:2×6(プレミアムモノコック)
住友林業:在来工法(ビッグフレーム)
三井ホーム(2×6) | 住友林業(在来工法) | |
---|---|---|
組み立て方 | 面で建てる | 柱で建てる |
大開口 | 苦手 | 得意 |
天井付の窓 | できる | できない |
リフォーム | しにくい | しやすい |
「耐震性が確保されているなら、工法にはこだわらない」という方もいるでしょうが、この工法が、家の内装や、天井高などにも影響してきますよ。
住友林業は、間取りの自由度と大開口に強い!
三井ホームは、天井高、勾配天井、スキップフロア、ロフトなど「縦の空間設計」に強い!
大開口
在来工法は、柱で組み立てていきます。そして、柱のないところに壁を作っていきます。そのため、柱と柱の間であれば、大きな窓を作ることができます。
一方、2×6の場合は、壁で家を組み立てていきます。そのため、窓を作るときには壁に穴をあけて作ります。大きな窓を作ってしまうと、耐震性が下がってしまいますので、大開口は苦手です。
天井高
在来工法は、太い柱で家を作っていきます。そのため、階と階の間には、横向きの太い梁があります。この梁が太いので、必然的に階と階の間が厚くなります。
例えば高度地区などで、建てられる高さが決まっている場合には、在来工法だと天井が低くなりがちです。3階建てを建てる場合には注意が必要です。一般的な日本の住宅の天井高は2400ですが、3階建てだと、1F2200、2F2300、3F2150など、天井高が低くなりがちです。在来工法で建てる場合には、折り上げ天井などの工夫で、部分的にでも天井高を確保する工夫をしていきたいですね。
一方の2×6の場合は、天井も面で組み立てられていますので、階と階の間が薄くて済みます。そのため、3階建てを検討している場合には、天井高を高く取りやすいです。
また、三井ホームは業界でも珍しい「屋根断熱」を使用しています。通常ですと、最上階の天井と屋根の間に空間があり、その部分に断熱材を入れ込みます。しかし、三井ホームは「屋根そのもの」で断熱をしてしまうのです。そのため、屋根部分が薄くてすみ、さらなる天井高を実現できます。
三井ホームはスキップフロアやロフトも売り
三井ホームは空間設計に強みがあり、「スキップフロア」や「ロフト」などの設計が得意です。屋根断熱を採用しているので、ロフトでも熱くなりにくいですし、勾配天井や天窓も得意ですよ!
三井ホームと住友林業の違い:内装・デザイン性
両社の内装も大きく違う点のひとつです。両社とも自由度の高い注文住宅メーカーなので、内装の自由はききます。希望しているインテリアが「モダン」や「北欧」なら、どちらの会社でも大丈夫! ただ、「クラシカルな洋館」が作りたい場合には、やっぱり三井ホームかなと思います。大まかなイメージは下記のとおり。
三井ホーム:洋風・洋風モダンが得意
住友林業:和風・和モダンが得意
三井ホームの内装
三井ホームのHPを見ると、ヨーロッパ風の外観の建物や、海外風のモダンな雰囲気のインテリアになっています。「かわいい洋風」の家はもちろんですが、「SCALA」や「Lucas」などの海外風モダンの内装もすてきです。
三井ホームで特に人気なのは、「EIDAIの框扉のキッチン」。框扉は聞きなれない言葉だと思いますが、ドアのところにモールディングの装飾のようなものがあります。これが「框扉」です。このキッチンに憧れるなら、三井ホームがおすすめです。
ところで、三井ホームは「巾木」に注意です。最近は、巾木をすっきりさせるのが人気ですが、三井ホームの巾木は厚みがあり、クラシカルな雰囲気。
住友林業の内装
住友林業の家は、インスタグラムでもとても人気です。たくさんの施主さんのアカウントがあります。
住友林業は、和風やモダンの家が得意です。海外でも人気の「ジャパンディ」インテリアとも相性がいいと思います。
住友林業は「木質感」が売り。あまり聞かない言葉ですが、木の質感にこだわりがあるということですね。無垢のフローリングはもちろん、インテリアにもなるウッドパネルなどもあります。
三井ホームと住友林業の違い:人気度
三井ホームと住友林業だと、住友林業のほうが人気だと感じます。
三井ホームと住友林業の年間戸数を見てみると、2022年度は住友林業が9416棟で、三井ホームが3386棟。この結果から、「住友林業のほうがよく売れている」「住友林業を選ぶ人のほうが多い」ということがわかりますね。
また、インスタグラムでも住友林業のアカウントはよく見かけます。住友林業では紹介制度があり、紹介者には10万円~30万円の謝礼が支払われます。一方の三井ホームの場合は、8万円。住友林業のアカウントが多いのには、このような事情もあるのかもしれません。
三井ホームと住友林業の違い:キッチン
トイレはどこでもいいけど、キッチンのメーカーにはこだわりたいという方も、いらっしゃるのではないでしょうか。そこで、選べるキッチンのメーカーもご紹介しておきます。
- EIDAI
- トクラス
- キッチンハウス(オプション)
- リクシル
- クリナップ
- トクラス
- パナソニック(オプション)
- キッチンハウス(オプション)
最近人気のキッチンハウスは、オプションにはなりますが、どちらのメーカーも提携しています。
リクシルのセラミックキッチンを希望している場合には住友林業、EIDAIの框扉を希望している場合には三井ホームを選ぶという方法もありますね。
あなたにはどっちがおすすめ?
住友林業と三井ホームの特長をまとめました。ご自身の希望や、土地と照らし合わせてみてください。
- 大きな窓が欲しい
- 無垢床フローリングが好き
- 和風の家を建てたい
- ロフトやスキップフロアがほしい
- 3階建てを建てる
- 洋風の家が好き
- 全館空調を希望
ちなみに、この2つのハウスメーカーは、ともに価格交渉が可能なハウスメーカーです。
言い換えれば、価格交渉をしないと、少し高めの価格で提案されてしまうということ。ですから、大変ですが、しっかりと比較検討して、適正な値引きを引き出すことが大切です。
家を建てた人は、だいたい何社くらいから相見積もりをもらっているのでしょうか? アンケートによれば、資料請求で3社に絞り込み、そこからさらに1社に決めている人が多いです。
詳しいアンケートについては以下の記事で公開していますので、家づくりで損をしないようにぜひご一読ください。
納得するハウスメーカーを選ぼう
PR
家を建てたいけど、どこのハウスメーカーがいいのかわからない!
工務店やハウスメーカーを探し始めると、どの会社も「うちで建てる家は暖かくて、地震に強くて、デザインの自由度も十分です」と語ります。
しかし実際には、「暖かい」にもかなり幅があるし、「地震に強い」「自由度が高い」にもかなり幅があります。
むこうも商売なので、「いいこと」しか言わないのは当たり前
だから、家を建てるあなたが、しっかりと勉強して、自分にぴったりのハウスメーカーを見つけなければいけません。
わたしたちは、計6社から間取りと見積もりをとりました。1社目より2社目、2社目より3社目。比べれば比べるほど、知識がついて、自分たちにとって、何が大切なのかがわかりました。6社目でようやく、ぴったりだと思える建築会社を見つけることができました。けど、正直時間もかかりましたし、少し遠回りしたかなと思います。
アンケートによれば、2~3社から見積もりをもらい、ハウスメーカーを決めている方が多いです。でもその2~3社は、どうやって見つければよいでしょう? 最初は資料請求でたくさんの会社を見て、そこから2~3社に絞り込めば、たくさんの中から自分にぴったりのハウスメーカーが見つけやすいです。
一括資料請求のなかには、間取りまで用意してくれるものもありますよ。下のコラムでは、各社の資料請求を比較しています。