不要な土地はできるだけ早く、そして高く売ってしまいたいと、誰もが思うもの。
相続で引き継いだけど、自分には不要な土地。そのような土地は、持っているだけで固定資産税を取られますし、雑草などのメンテナンスもしなければなりません。
できるだけ早く・高く・楽に売りたい!
「土地を売る」と思うと、まっさきに思い浮かべるのは、「仲介」だと思います。実は、土地を売るには、2つの方法があります。
- 不動産仲介に頼んで、買手を探す
- 土地買取業者に買ってもらう
不動産仲介のほうが、土地買取よりも高く売れます。ですから「急いでいる」「知られたくない」などの事情がない場合には、基本的には仲介で買い手を探すのが吉です。
しかし、土地によっては、「土地買取業者に買ってもらう」ほうが、はるかに効率的だと思うものもあります。
その唯一の特徴は、ずばり、これです。
今回は、3階建てエリアにおいて、どんな土地が売れにくいのか、実体験も交えながらご紹介します。
土地を売るときは、戦略的に!
首都圏3階建てエリアにおいて売れにくい土地
旗竿地
旗竿地とは、敷地の一部が延長したような形で道路に面している土地のこと。旗のような形をしていることから「旗竿地」と呼ばれます。「敷地延長」の土地と言われることもあります。
不整形地の代表格でもある旗竿地。
土地が分割されて売られる都内では、比較的よく見かけます
旗竿の手前がとっくに売れているのに、旗竿地はいつまで経っても売れない……そんな様子を多く見てきました。
旗竿地は売れにくいですが、その中でも、特に売れにくい旗竿地というものが存在します。
相場からかけ離れた広大な旗竿地
旗竿地のメリットは、安いことです。しかし、中には、広大な旗竿地が存在します。
2億円の旗竿地……
旗竿地であっても、広さがあれば当然、値段が高くなってしまいます。それにより、「好立地を安く買いたい」というニーズから離れてしまい、一般的な旗竿地よりも売れにくくなります。
予算があれば、整形地を選ぶ人が多いです
接道50cmの再建築不可の土地
接道が2mないと、建物を再建築することができません。つまり、住むつもりならば、リフォームをするしかないということです。このような土地は大変売れにくいため、買い取ってもらうことが多いようです。
フルリフォームして売り出されているのを見かけます。ちゃんと売れていきますよ
自分の費用でフルリフォームをするのは、時間もお金もかかります。ですから、再建築不可の土地は、買い取りがおすすめです。
竿部分が駐車場として機能しない旗竿地
接道が2メートルあれば売れやすいかというと、そうとも限りません。
旗竿地の場合、竿の部分に「駐車場を作れるかどうか」が、売れやすさの分かれ道。
接道が2メートルぎりぎりなど、竿部分が駐車場として機能しない場合は、売れにくくなります。
前面道路が4m未満
前面道路が狭いと、買主にとって、以下のようなデメリットがあります。
「前面道路が狭い」というのは、具体的には3メートル以下くらいです。
- 車が通れない(通りにくい)
- 日当たりが悪くなる
- セットバックが必要になる
- 災害時の救助が困難
法律により、私道であっても、道幅4メートルを確保しなければならない場合が多いです。増改築のときには、家を後退させて、道幅4メートルを確保する必要があります。
実質的な土地が面積が減ってしまうんだ
もとは90平米もあった、近隣では広めの土地。家の両側に道幅2mほどの細い道路があり、両方向からセットバックをしなければなりません。結果的に面積が大幅に減ってしまったうえ、細長くややバランスの悪い土地になってしまいました。
また、周りの家は建て替わっていないため、自宅前の道幅だけ4メートルになっても、車は通れません。
狭小地+不整形地のコンボ
たまに見かけます。一体、どんな人が買うのだろうと、興味をそそられるような「個性の強い」土地。
30平米代で、2つの道路に挟まれた三角州のような土地。しかも、片方の道路は坂道。狭いうえに通りから丸見えで、一般の家庭には、かなりハードルの高い土地です。
参考プランは、1、2階がガラス張りの建物。視認性の良い1、2階は店舗やオフィスに。3、4階は居住空間になっていました。
その手があったか!と思いました。売れるまでには時間がかかったようです
超高級住宅街の一角にたたずむ、土地面積30平米くらいのL字型の不整形地。なんと、ほかのお宅の庭だった部分です。角地で日当たりも最高ですが、土地の間借りのような印象がぬぐえません。
ここの土地は「建築条件付き」で売り出されていました。家が建ってから売れたようです。
狭いので、買う側としては、出来上がった家を見て納得してから買いたいです
高層ビルが立ち並ぶ中にある、階段沿いの三角形の土地。広さは、たしか50平米台。古家はなんと階段沿いに建てられていました。階段の真ん中に正面玄関があるという、不思議な家です。
建築家の心をくすぐりそうな、個性の強い土地でした
このような個性の強い土地も、気に入る人が限られるため、売れにくいです。
相場からかけ離れた広大な土地
意外かもしれませんが、都内3階建てエリアでは広い土地も売れにくいことがあります。
相場からかけ離れて3億、4億、5億となってくると、買える人が限られるからです。
大通り沿いならマンション用地として売れますが、1種低層や2種低層地域になると、かなり売れにくくなります。中でも難しいのが、1種低層地域にある、間口が狭い広大な土地です。
マンションとしては利益を確保するのが難しく、分割しても売りにくい……
広大な土地は、個人の買手がつかないので、仲介に出しても結局は業者が買い取ることもあります。その後、業者が古家を壊し、必要に応じて私道を通したり、区画分けしたりして売りに出します。
事故物件・心理的瑕疵のある土地
前の居住者が、居宅内で亡くなっている物件
事故物件も、売れにくい土地のひとつです。私たちも1度だけ、「古家で白骨化した遺体が見つかった」土地を案内されましたが、気になってしまい、購入には至りませんでした。
気になる、気にならないは人によって違いますが、マイナス要素であることには変わりありません。
また、事故物件ではなくとも、お隣さんが反社会的勢力だった場合などは、大変売りづらいです。この場合にも買取業者さんにお願いしたほうが良いです。
古家付きの広い土地
古家付きの土地は、数多く売り出されていますし、一見、売れにくいということはないように思えます。
ただ、都内3階建てエリアでは注意が必要です。
土地価格が高騰していることもあり、土地がどんどん細分化されているのです。
ですから、土地面積が100平米くらいになってくると、単体では売りにくいです。
プロのアドバイスをもらいながら、ご自身で家を解体し、土地を分割して売りに出すこともできます。ただ、それには多大な労力がかかります。そのため、「業者に買い取ってもらう」選択をする方が多いです。
墓地が見える借地権付きの土地
借地権も、売れにくい土地の特徴です。借地権というだけでなく、他にも売れにくい特徴があると、なお売れづらいです。
- 賃貸併用の家
- 私道4メートル以下
- 墓が見える
借地権は、地主がお寺ということもよくあります。「道が狭い」「私道」「墓が見える」というのは、ありがちかもしれませんね。
こういった土地も、「借地権付きの建売」として売りに出されることがあります
ちなみに、神社の場合、お墓がありません。ただ、風水などで神社の近くを敬遠される方はいるようです。
売れない土地は、買取業者にお願いしよう!
売れにくい土地を、実体験を交えてご紹介しました。
売れにくい土地は、仲介よりも買取がおすすめです。
しかし、ここで紹介したような特殊な土地の場合、買取業者にお願いしても、値段がつかないこともあるんだとか。
買い取り業者も商売なので、赤字になる土地は買い取れません
しかし、あきらめてはいけません! 実は、「売れにくい土地」専門の買取業者が存在します。
株式会社Alba Linkが運営する「訳あり物件買取プロ」は、ここでご紹介したような「売りにくい土地」に強い買取業者です。訳アリの土地を売るノウハウがあるので、買い取れるということのようです。
驚いたのは、共有持分でも売れるということ。
買い取りなので、仲介手数料がかからないというのもメリットですね
査定は無料です。売れにくい土地の処分に困っている方は、プロに相談してみてくださいね。
また、売れにくい土地を抱えている場合、同社の「訳アリ物件買取ナビ」のコラムが参考になりますよ。