今回は、我が家がなぜ、設計事務所に家づくりをお願いすることにしたのか、その経緯をご紹介します。
※このブログでは、設計士・建築家・建築士あたりの言葉はすべて同じ意味で使っています
家づくりを始めて、最初にハウスメーカーに突撃した私。
最初は、大手ハウスメーカーでお願いする気満々でした
ところが、都内狭小地では、ハウスメーカーで家を建てるのは難しいことがわかりました。
都内狭小地では、ハウスメーカーの家は建ちにくい
例えば、探している土地が2種高度地域だったら、隣地からかなり厳しい斜線規制がかかります。大手ハウスメーカーは、床下をしっかり確保しますし、1階の個室も居室にしなくてはいけないなど、規制が多いようです。
部屋は、ある程度の光と通風が確保できないと、居室という扱いになりません。サービスルーム(納戸)扱いになります。たとえば、2LDKSとある場合、Sは納戸です。
住宅密集地の場合、このサービスルームは居室として使われていることが多いです。1階への採光はほぼないけれど、居室の数は必要ですからね。
ハウスメーカーが床下空間を確保するのは、のちのちの点検のためです。大手ハウスメーカーでは、人が床下に入って点検できるようにしています。
しかし、2種高度地域の3階建てでは、北側の斜線規制が厳しいため、床下を多めにとる余裕はありません。居住空間を圧迫してしまいます。現在、日本の天井高は2400が標準ですが、2種高度地域にある3階建ては、天井高2200~2300くらいです。
このような事情があり、我が家も大手ハウスメーカーで建てるのは難しいと判断しました。
不動産仲介会社さんが言っていたとおりでした。
ハウスメーカーの家は、田舎でどーんと2階建てを建てるにはいいけど、このあたりでは難しいですよ
設計事務所を考え始めたきっかけ
上記のような理由で、我が家は不動産会社に紹介してもらった工務店で家を建てようと考えていました。
ところがある日、ハウスメーカーさんの紹介で、いい土地が出てきました。事情があって買えなかったのですが、満額で申し込みもしたし、もうすっかり買うつもりでした。舞い上がった私たちは、ごく親しい友人と家族にだけ、打ち明けました。
土地に申し込みをしたんだ!
するとどうでしょう。打ち明けたのは2組だけでしたが、その2組ともが、「建築家にお願いするといいよ!」と言ってきたのです。
このあたりは、建築家にお願いしている人が多いんだよね。俺もそうすればよかったなって思ってる
友人A
前に行った友達の家が、設計士が建てた家だった。やっぱりよかったよ。設計士におねがいしたら?
親
その土地は、ハウスメーカーからの紹介だったため、建築家に設計をお願いすることは考えていませんでした。けれど、結局そこの土地は、交渉権をいただけず、買うことができませんでした。
このタイミングで出てきた、次の候補地。
これが、とんでもない非整形地だったのです。
これは、建築士さんにお願いするしかない!
さっそく、友人に教えてもらったhouzzというサイトで、設計士さんを探しました。検索条件は、「都内」近郊の設計士さんで、「3階建て」の経験があること。
そして、その中で一目ぼれした設計事務所にコンタクトを取りました。
あがってきた間取りを見て、度肝をぬかれました。
間取りが読めない……涙
解読するのに10分以上かかったと思います。なぜって、それまで見てきた図面とはかけ離れていたから。
普通の図面は2次元ですが、彼の描く図面は、もはや3次元。3階建てですが、一部スキップフロアのようになっていて、床レベルは4段階ありました。
2種高度地域のメリットを生かし、南側の一番高いところに取られた大きな窓。この窓から、階段の吹き抜けを通して、2階リビングまで光が降り注ぎます。
3階建てでありながら、家全体の距離感が近く、家族の存在を感じられる間取り。「大きな本棚」を希望した私たちへの答えは、2つの子供部屋と、その子供部屋をつなぐ階段の壁一面に設置された造り付けの本棚でした。(そう、子供部屋にはドアがなく、部屋から部屋へ階段が続いています。踊り場が広くなって、子供部屋に変化したイメージ)
こんなことができるの!?
それが、今お願いしている設計事務所さんとの出会いです。
次回、この出会いから、実際に依頼に至るまでの経緯をご説明します。
建築家に依頼したいけど、敷居が高い……という方は、ぜひ読んでみてください。